きこえてきたこと

哲学、読書、文学、宗教、映画、日々のこと。

読書

『ハーモニー』伊藤計劃

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) 作者:伊藤 計劃 早川書房 Amazon 『虐殺器官』に続いてこちらも。健康が全て管理された世界。生きる、老いる苦しみがとてもとても縮小されている。その価値観に驚かされる。 身体に悪いことを取り締まり、心が乱されればすぐに…

『虐殺器官』伊藤計劃

『虐殺器官』伊藤計劃 ハヤカワ文庫JA 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) 作者:伊藤 計劃 早川書房 Amazon スーッと読もうと思ったらスーッと読めてしまう。SFなのだけど、人間としての自分を主人公が見つめて行く様が自分に重なっていってしまう物語。 暗殺を行う…

『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』

『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』ケン・リュウ編 早川書房c 折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 早川書房 Amazon 中国SFの短編詰め合わせ。『三体』、『荒潮』を読んでいたので楽しめた!全然中国文化には詳し…

『街と、その不確かな壁』村上春樹

街とその不確かな壁 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 26 前知識なく読み始めたら、「あれ?『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』じゃない???」となった。もちろんそんな焼き直しではなかった。 あとがきを…

『一人称単数』村上春樹

一人称単数 (文春文庫) 作者:村上春樹 文藝春秋 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 25 短編集の最新。 「石のまくらに」 短歌を交えた短編。昔の作風を思い出す。 「クリーム」 招待された演奏会がなかった…。老人のクリームのつぶやき。 スッキ…

『騎士団長殺し』村上春樹

騎士団長殺し(第1部~第2部)合本版(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 24 この長編も面白かった。メタファー。たまに村上氏のメタファーにおなかがいっぱいになったのだけどこれはよかった。 村上氏が歳を…

『女のいない男たち』村上春樹

女のいない男たち (文春文庫) 作者:村上春樹 文藝春秋 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 23 これはテーマが「女のいない男たち」の短編集なんだよね。 著者は男というのを改めて感じる。 「ドライブ・マイ・カー」 男性の複雑な心境とドライブと…

『色彩をもたない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫) 作者:村上春樹 文藝春秋 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 22 ある意味完璧な高校生時代を過ごして閉まったが為にその関係性が崩されたことのショックが人を本当の底のところで変えてしま…

『1Q84』村上春樹

1Q84(BOOK1~3)合本版(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 21 いちばんの長い小説だった。文庫で6冊。読み応えあり。 現実と小説の中の出来事が交錯していく村上ワールド全開。長いのにどんどん先を…

『東京奇譚集』村上春樹

東京奇譚集(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 20 短編集、これも面白かった!日常に潜む不思議なお話。 ・偶然の旅人 村上氏自身の「たまたま」の一致の不思議な経験と、ゲイのピアノ調律師の「たまたま」の経…

『アフターダーク』村上春樹

アフターダーク (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 19 すごくリアルなのに夢のような不思議な感覚も混じってくるお話。 一晩の出来事で、時間ごと、視点違いで小さなまとまりが交互に展開されていくのでテンポ…

『神の子どもたちはみな踊る』村上春樹

神の子どもたちはみな踊る(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 18 神戸の震災後の短編連作。村上春樹は神戸市出身なので気になることだったのだろう。 地震にまつわる短編。被災地からちょっと離れたところで起…

『海辺のカフカ』村上春樹

海辺のカフカ(上下)合本版(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 17 ほぼ刊行順、お薦めに従って読んできて長編で今のところ一番面白かった! 非常に読みにくいというか、目を背けたくなる描写もあるのだけど、…

『スプートニクの恋人』村上春樹

スプートニクの恋人 (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 16 これはミステリ風でいて異国の雰囲気をたっぷり味わえる盛り合わせみたいな小説。すみれという女性がとても魅力的。読後感より途中の盛り上がりがい…

『レキシントンの幽霊』村上春樹

レキシントンの幽霊 (文春文庫) 作者:村上春樹 文藝春秋 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 15 『レキシントンの幽霊』村上春樹 文春文庫 短編いいと言いつづけて、これが今までで一番好き。 ・レキシントンの幽霊 ホラーにならない雰囲気を読ま…

『パン屋再襲撃』村上春樹

パン屋再襲撃 (文春文庫) 作者:村上春樹 文藝春秋 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 14 やっぱり短編はいいな! ・パン屋再襲撃 絵本版でよんだけど、行動のリアルなところと発想のファンタジーさのギャップがいい。 ・象の消滅 象はよくでてく…

『ねじまき鳥クロニクル』村上春樹

ねじまき鳥クロニクル(第1部~第3部)合本版(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 13 これは面白かった!ここのエピソードが関連性がないようで強い個性を発揮しているのだけど、それが微妙に関連し合っていて…

『国境の西、太陽の西』村上春樹 講談社文庫

国境の南、太陽の西 (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 12 一気読みした。なんだかわからないが、主人公の「ハジメくん」の独り語りに引き込まれたのだ。そして結末が・・・。もやもやするのだけど、これはホラー…

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』村上春樹 新潮文庫 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上下)合本版(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 10 久しぶりに読んだなあ。でも結末わすれて…

『回転木馬のデッド・ヒート』村上春樹

『回転木馬のデッド・ヒート』村上春樹 講談社文庫 回転木馬のデッド・ヒート (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 9 これは面白かった!村上春樹が小説にしきれなかった、他者から聞いたことまるごとそのままお…

『螢・納屋を焼く・その他の短編』村上春樹

『螢・納屋を焼く・その他の短編』村上春樹 新潮文庫 螢・納屋を焼く・その他の短編(新潮文庫) 作者:村上春樹 新潮社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 8 長編に出てくる雰囲気、エピソードが短編の中にちりばめられている。中にはまるまるそ…

『ノルウェイの森』村上春樹

『ノルウェイの森』村上春樹 講談社文庫 ノルウェイの森 (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 7 村上氏の著書出一番売れた小説。そしてわたしは30年前に読んでいるのに、まったく内容を思い出せないでいたので新…

『カンガルー日和』村上春樹

『カンガルー日和』村上春樹 講談社文庫 カンガルー日和 (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 6 短編集。本当に短いお話がたくさん詰まっている。羊男も出てくる!これまで読んできた小説の中にちょっとエッセン…

『中国行きのスロウ・ボート』村上春樹

『中国行きのスロウ・ボート』村上春樹 中公文庫 中国行きのスロウ・ボート (中公文庫) 作者:春樹, 村上 中央公論新社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 5 こちらは紙の本。Kindleがないのだ。短編集。 「中国行きのスロウ・ボート」 なんだかス…

『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹

『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹 講談社文庫 ダンス・ダンス・ダンス (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 4 『羊』&『鼠』の世界観の長編はこれで終了。 最終的に「羊」のいる世界と半分解けて居るような…

『羊をめぐる冒険』村上春樹

『羊をめぐる冒険』村上春樹 講談社文庫 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 3 羊をめぐる冒険 (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon ちょっと時間が空いたけど再開。 ちなみに今のAmazon50%ポイントバックKindleセールで長編の合本を買ってしまっ…

『同志少女よ、敵を撃て』 逢坂冬馬

『同志少女よ、敵を撃て』 逢坂冬馬 早川書房 同志少女よ、敵を撃て 作者:逢坂 冬馬 早川書房 Amazon ほぼジャケ買いに近い2022年の本屋大賞。 故郷の村をドイツ兵に皆殺しにされ、女性狙撃手となる少女セラフィマ。そこには同様の境遇にある少女たちが集い…

『オペラ座の怪人』ガストン・ルルー

『オペラ座の怪人』ガストン・ルルー 光文社古典新訳文庫 オペラ座の怪人 (光文社古典新訳文庫) 作者:ガストン・ルルー 光文社 Amazon いやあ、よかった。 ちゃんと小説読んだの初めてかも。 すごいテンポで引き込まれる。怪人とペルシャ人の最後のやりとり…

『1973年のピンボール』 村上春樹 

『1973年のピンボール』 村上春樹 講談社文庫 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 2 1973年のピンボール (講談社文庫) 作者:村上春樹 講談社 Amazon ピンボールが出てくる後半から一気に懐かしくなってきた。 読んだ当時はまだインターネットで検索!…

『護られなかった者たちへ』中山 七里

『護られなかった者たちへ』中山 七里 護られなかった者たちへ 作者:中山 七里 NHK出版 Amazon ずっとアンリミテッドしたままで読んでいなかったのを気分転換にと読み始めた。 前知識なし。 ミステリ、サスペンス(って今もいうのかな)は母親が見てた火サス…