オフィス街で会社員をしている。街路樹はあるけど緑って言えるもんじゃない。無機質なコンクリートだらけ。
朝一半駅離れたオフィスに行くことになった。歩いて20分。暑くもないし、いい感じ。ビル影になる方を歩く。お店が閉まっている。この通りでもか・・・。
この町に赴任してもうじき22年。いまだに言葉に慣れないし、仕事以外は来ない。この道歩くのも久しぶりだけど、ここに22年もいるんだなと思うと不思議な感じがする。でもまったく愛着がない。驚くほど。
二十代で来て今四十代。夏は今年は去年より暑いというのしか聞いたことなかった。景気が悪いときしか知らない。希望すれば異動できる可能性もある。でもしない。なぜなら規模が大きい拠点にいる方が何かと楽だから。
ビルの影っていつもどこか蒼いんだ。そしてなんか冷たさを感じる。この通りはみんな黙って歩いている。観光客ももういない。目的地まで黙って歩く。
22年も給料をもらうだけのために働いていたわたしっておかしいのかな。みんなそのなかでやりがいを見いだしていく。わたしは仕事の手は抜かない。与えられたミッションは必ずやるけど、なにがなんでも仕事ってなれない。自分はこの会社に必要とされていると感じないとだめみたいなのが苦手だ。いなくても仕事が回らなければおかしいじゃない。
でもさ、一日9時間ぐらいを仕事に費やしているんだよね。自分の人生の1/3くらい?これでいいのかなって思うときがある。わたしに遺された時間ってほんとはないよね。次の瞬間死んでいるかもしれないのだもの。そう思うと、もっと自分のために行きたいなとも思う。でもお金ないと生きていけないしね。むずかしいわ。
そしてまた、自分のためってなんよ?って問題。
コンクリートの蒼い影はいつもわたしの仕事への感情と似たものを思い起こさせる。正確で美しくてでも冷たい。