きこえてきたこと

哲学、読書、文学、宗教、映画、日々のこと。

あなたの幸せはなんですか

「あなたの幸せはなんですか」

って聞かれたら、直ぐ答えられるだろうか。

 わたしは自分の幸せについて語った事を鮮明に覚えていることがある。

 

 小学校一年生の時、父の仕事の都合で関西に一時的に引っ越した。全国から集まった家族の宿舎みたいなところで、田舎の大きな一軒家からアパート住まいになった。

 やっと集団登校をする同級生たちと遊ぶようになり、その日は日が暮れるまで上級生も一緒になってずっと遊んでいて楽しかった。

 家に帰って父親と弟と三人でお風呂に入った。お風呂の窓から夕焼けが見えた。わたしは湯船につかっていて、父親は幼稚園児の弟を洗っていた。

 「きょうさ、わたし幸せだなって思う。だってさ、新しい友達といっぱい遊べて、お風呂に入って、今日の夕ご飯がカレーだから!」

と父親にいった。なんで急にそんなこといったのかわからないけど、7歳のわたしのなかから溢れ出るものがあったんだろうね。

 「そうやのぉ。しあわせやのぉ」と父親はいった。

 

 きっと今までの人生で、わたしはそれ以上の「幸せ」と呼ばれることをたくさん得てきたと思う。でも今一番思い出すのがこのエピソードなのはなんでなんだろうと最近考える。