戦中ものはなんであっても涙腺緩むよな…と思いながら見たのだった。
ぼーっとしているすずは、いろいろあるけれど当時の価値観に疑問を持たないで、そのときそのときを「よかった」と受け入れて生きてきた。なにより思ったのは、彼女はいろいろなかなしい出来事があったとしても、居場所があるということ。今までみた戦争もので主人公がそこに居続けるパターンというのは珍しい気がした。だからある意味、感情を悲しみに振り切れることなく何かに支えられながら見ることが出来る感じがした。りん、最後に出てきた女児、義姉の径子、亡くなった晴美、すみといったすずのまわりにいたキャラクターの方がよほど悲惨だと思うし、そう見える。
こうやって書いてみると、これは女性を描いた作品だな。
いろいろな伏線があり、わたしも出遇う人と縁があるということを思う。映画だからオーバーで客観的にわかるようになってるけど、わたしもそういうことがあると思う。いつかの誰かといまのわたしがつながってることはあると思う。世界って見ているわたしの価値観でしか判断できないけど不思議だなと思う。