きこえてきたこと

哲学、読書、文学、宗教、映画、日々のこと。

本の読み方

 今日はちょっとした講演会に行っていた。講師の方が研究対象の著書を読むときに、「その人と向き合う」とおっしゃっていた。小説じゃない分野の話なんだけど、小説でもそれが言えるかもしれないと思った。

 「どうしてこの表現にしようとおもったのか」「なぜこの結論じゃなければいけなかったのか」ということを著者のことを思って読むというのは哲学系の本に関しては重要だと思う。

 昔の人って、生きていたときのことを知らないから勝手に神格化して、否定してはいけない絶対的なものみたいになっていることがある。それを否定したら、「あなたが勉強不足」って言われるような感じ。でも書いてる人はやっぱり人間なんだよね。絶対間違わないことはない。いまのわたしと同じように悩んで考えて言葉を紡いでいるはず。それの考えの深さやベクトルが突出していたが故に人から人へ時代を超えて読み継がれてきているのだと思う。宗教だってそうじゃないか。わたしもそういう風に本を読んでいきたいなと思う。

 今読んでいる本が小説なんだけど、「老人と海」とまったく違う。ちょっと耽美的な描写もあり、とても意味深な含蓄ある台詞が続出したり、ストーリーは考えさせられる感じ。書き手によって無限なんだなとつくづく思う。この作者はこのあとどんな展開を見せてくれるんだろう。

 

 さて、お風呂に入ってちょっと続きを読んでくるか。