きこえてきたこと

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『夏への扉』 こういうのもSFなんだ!

 ともだちのおすすめSFで読んでみた。

 シンプルにこれはねこのSFだ。主人公とねこの掛け合い、そして主人公がねこのピートを大事に思う気持ち。自分がペットを飼っていなくても感情移入してしまう。

 なのにSF。宇宙工学的理論ガチガチではなく、カラフルでファッショナブルな印象さえ与えるSFなのだ。とにかく主人公の心理描写がいい。こういうマニアックな人、いるよな。いるいる。

 SF要素としては、保険を掛けて冷凍保存で未来に生きる、近未来の姿。でもこの物語の「未来」は西暦にて既に到来しているのだけど、追いついてなかったな。素敵な未来だった(という過去形)。

 あらすじは書かないけど、ねこの話だと思って読むといいかもしれない。ずっとピートが気になってたまらない。

 ちょっと感じるのは、これは男性の光源氏願望が若干入っているのかなということ。まあ、これも読んでみてのお楽しみかな。

 ハッピーエンドが好きな人に向いている。読後感は結構好き。