きこえてきたこと

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『リア王』 シェークスピア

リア王シェークスピア 光文社古典新訳文庫

 古典を読もうと思ってKindle Unlimitedで。

 結構しんどいときになぜ四大悲劇を選んでしまったのだ。わたしは…。

 シェークスピアというのは人間の醜い部分を出すのがすごいな。本当にいい人もぶっ殺す。悲劇でしかない。いいとかわるいとかが関係なく悲劇は起こっていく。

 そして誰もいなくなる勢い。

 親子ってなんだろうね。これ中世の身分の高い王族の親子のいざこざのはなしなわけだけど、現代社会においても違和感なく受け入れられちゃうこの感覚はなんなんだろう。時代と文化を越えて頷いてしまう自分がいるわけだ。

 でもここにいる人たちは真剣だよな。真剣すぎて王に死ぬ気で苦言を呈したり、怒りで気が狂っちゃったり、自分を殺して別人格になりきったり、目玉くりぬかれても信念を貫いたり。半端ねぇ。

 

 光文社古典新訳文庫のいいところは、シェークスピアの生涯もしっかり解説してくれているところ。あとがき充実。訳している方も何度もシェークスピアの作品を上演されている方なので、リアルな劇という見方が出来る一冊。

 おすすめ。