きこえてきたこと

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『ギルガメシュ叙事詩』を読んだ

ギルガメシュ叙事詩』矢島文夫 ちくま学芸文庫

 なんだかタイトル買いしてしまった。

 ギルガメシュっていうと、とある世代は某テレビ番組名を思い出すんじゃないかな・・・。

 たまに神話系の本を読むのだけど、これは詳しく知らなかった。

 暴君半神半人ギルガメシュ初夜権を行使するとかいう話が精力絶倫説に至り、テレビ番組名に結びついたらしい)、それを抑えるために生まれたエンキドゥ。その邂逅と闘い、その後の友情(っていっていいのかな)、共に戦う姿。からのエンキドゥの死。それから不死をもとめるギルガメシュ。。。

 本の最初は石版で見つかったものをつなぎ合わせて和訳してあるものがそのまま。その後解説になる。

 そこでちょっとびっくりしたのが、ギルガメシュがエンキドゥにフンババという森のモンスター討伐に共にいこうと説得する場面。ギルガメシュはエンキドゥに

「進め、恐れるな」

といってくれといっている!

これで思い出したのが、村上春樹の『かえるくん、東京を救う』!

かえるくんは片桐に、みみずくんとの闘いの場において応援して欲しいというのよね。これ同じモチーフじゃない!!!

そしてこのかえるくんにたどり着いたのも、『輪るピングドラム』を見ていて出てきたのであって、かえるくんをみていたら、村上春樹が恐怖は想像力から来るというあたりがコンラッドの『闇の奥』の影響らしくて、もう最近読んだ本が全部つながっている不思議!!!!

 というところに大興奮したのでした。

 この本自体は、学術的にどのように出来たかというのを丁寧に見せてくれていて、こういう分野の方の学びがわかってすごく面白かった!思いつきで買ってみるのもいいなと思った。