電車に乗って窓際の席に座ったら、窓枠の5センチほどのスペースに、ちょこんと指輪がおいてあった。
傷がいっぱいあってずっとつけてたんだろうなと思われる。
どんな人が落としたんだろう。
わたしは指輪をしなくなってだいぶん経つな。
ない方がいいなと思った。自由。
大事にしていたんだろうな。困ってるだろうな。悲しんでいるだろうな。
わたしも大事にしていた指輪をなくしたことがある。
ああ、なくなってしまった!!!となくした自分にがっかりした。
でもなんかなくなってリセットされたような気持ちにもなった。
まあ、装飾品でもあるけど身体を締め付ける拘束具と言えなくもないな。心を縛っていたのかもしれない。
電車を降りるとき、駅員さんに渡そうかなと思っていたけど、降りた後で思い出した。
そのままにしてきたけど、手元に戻るといいな。