きこえてきたこと

哲学、読書、文学、宗教、映画、日々のこと。

『虐殺器官』伊藤計劃

虐殺器官伊藤計劃 ハヤカワ文庫JA

スーッと読もうと思ったらスーッと読めてしまう。SFなのだけど、人間としての自分を主人公が見つめて行く様が自分に重なっていってしまう物語。

暗殺を行う特殊部隊の一員である主人公の環境がどっぷりSFなわけだけれど、そこには訓練や投薬やカウンセリングで変えられていってしまう自分を見つめる自分がずっと存在する。その視点がすごい。

なぜ人間は戦争をするのかということを考えた。

勧められて読んだのだけど、読後感もすごい。エンディングはそうきたかと思った。

 

一年の最初に読み終わったのがこれってどうなの???ともおもったけど、地震やらなんやらで大変だった正月を思えばちょうど良いのかもしれない。