きこえてきたこと

哲学、読書、文学、宗教、映画、日々のこと。

どこかに帰りたい

 家に帰ってきたけど、どこかに帰りたい感じがする。

 それは実家というわけではない。

 ここじゃないけどどこかに帰りたい感じ。

 ああ、かえらなくちゃと心がそう思っている。

 どこにかえろうとしているんだろう。

 でもこうして書いている間も、ああ、かえらなくちゃと

 焦る気持ちがわいてくる。

 

 そこにかえったら、わたしは安心するのかな。ああ、かえってきた!って。

 わたしはなにを求めているのだろう。

 ものじゃあないんだな。きっと。

『ギルガメシュ叙事詩』を読んだ

ギルガメシュ叙事詩』矢島文夫 ちくま学芸文庫

 なんだかタイトル買いしてしまった。

 ギルガメシュっていうと、とある世代は某テレビ番組名を思い出すんじゃないかな・・・。

 たまに神話系の本を読むのだけど、これは詳しく知らなかった。

 暴君半神半人ギルガメシュ初夜権を行使するとかいう話が精力絶倫説に至り、テレビ番組名に結びついたらしい)、それを抑えるために生まれたエンキドゥ。その邂逅と闘い、その後の友情(っていっていいのかな)、共に戦う姿。からのエンキドゥの死。それから不死をもとめるギルガメシュ。。。

 本の最初は石版で見つかったものをつなぎ合わせて和訳してあるものがそのまま。その後解説になる。

 そこでちょっとびっくりしたのが、ギルガメシュがエンキドゥにフンババという森のモンスター討伐に共にいこうと説得する場面。ギルガメシュはエンキドゥに

「進め、恐れるな」

といってくれといっている!

これで思い出したのが、村上春樹の『かえるくん、東京を救う』!

かえるくんは片桐に、みみずくんとの闘いの場において応援して欲しいというのよね。これ同じモチーフじゃない!!!

そしてこのかえるくんにたどり着いたのも、『輪るピングドラム』を見ていて出てきたのであって、かえるくんをみていたら、村上春樹が恐怖は想像力から来るというあたりがコンラッドの『闇の奥』の影響らしくて、もう最近読んだ本が全部つながっている不思議!!!!

 というところに大興奮したのでした。

 この本自体は、学術的にどのように出来たかというのを丁寧に見せてくれていて、こういう分野の方の学びがわかってすごく面白かった!思いつきで買ってみるのもいいなと思った。

 

ちょっとうれしい

 なんかアクセス数が増えてる!?と思ったら、はてなブログの特集に記事を取り上げてもらっていました。

 なんだかうれしい。

 

 いまのわたしはつながっててうれしいからちょっと離れている感じなんだけど、そういうやさしくなる気持ちが自分にあったことを思い出させてもらった。

 

 

blog.hatenablog.com

パスワード

 今朝、母親から連絡があり、あるPDFを送る必要があって、父親のyahooメールに送った。そしたら、

「なんでかわからないけど、昨日までパスワード覚えてたのにお父さんが入れないという」

メールにはいれないという。そんなばかなと思いつつ、別の方法でなんとかなった。

 

 夕方友だちから、マイナポイントの申請した?と聞かれる。まだだった。

 パスワードの紙があるはずのところにない。こういうのは割ときっちりしているのだけど、ない。こまった。でもパスワードは数パターンなのでやってみたら、ロックがかかる。

 

 父親の悲しみがちょっとわかった気がする。

 わたしにもそういう日が来るのだろう。ちゃんと管理しよう。

散歩

今日は午前中に友だちに会いに電車に乗って4駅離れたところに。

住宅街を散歩。ゆっくり周りを見ながら歩く。

降りたの2回目くらいだけど、今日は住宅地側で目的地に着くまで誰にも会わなかった。こんなに家がたくさんあるのに!

 

すごい門構えの豪邸があったけど、門の向こうが草が生い茂っていて、テラスの白いテーブルと椅子が倒れて荒廃した感じをさらに印象づけていた。駅前なのになあ。

そして道は車一台しか通れないところが多く、両側に古い家というより新しい家が建ち並ぶエリアを通過。

 

わたし、住宅街を通ると胸が痛む。自分が捨てた家庭というものに対して、なくしたものに対してどういう感情をもっていいのかわからなくなって辛い。

わたしが我慢していたらいいのか、そうしたらこういう暖かいぬくもりのある家が続いたのだろうか。いろんなことを考えるけど、わたし自身がそれを続けたかったという気持ちがまったく湧いてこないのが唯一よかったことなのかもしれない。

どうしてだめだったんだろう。ねえ。と誰かと話してみたい気もする。

『パン屋を襲う』 久しぶりの村上春樹

『パン屋を襲う』村上春樹 新潮社

 不眠症解消のために散歩。そして地元の図書館に初めて行ってみた。

 思ったよりすごく小さかった。とりあえず一冊読んで帰ろうと思ったときに、この本を見つけた。

 イラストのついた絵本のようになっていた『パン屋を襲う』。ちょうど良い長さ。

 懐かしいなあ。30年ぶりくらいに読んだ...。

 学生時代の若さいっぱいの時はこの夫婦がすごくかっこよく思えた。今読んでみたらなんか荒削りだな。世界のずれみたいなものを感じさせる村上春樹の世界。なんか読むとあの頃に戻るなあ。思い出すのに痛みを伴うのだけど。

 満足して家に帰る。風が強くなってきた。