きこえてきたこと

哲学、読書、文学、宗教、映画、日々のこと。

『国境の西、太陽の西』村上春樹 講談社文庫

 

 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 12

 一気読みした。なんだかわからないが、主人公の「ハジメくん」の独り語りに引き込まれたのだ。そして結末が・・・。もやもやするのだけど、これはホラー的小説なのではないかなと感じた。途中から「ハジメくん」の幻覚が入っているというような。

 「ハジメくん」が何を感じ、どうしてその決断をしていったのか。それがきちんと自分に伝わってきて物語が進んでいく。同時に違和感も一緒に。

 

 それにしても、女性に比して男性の過去の女性に対する想いというかセンチメンタリズムというがすごいなあと。たしかこの本について昔同級生(男)と話していて、男女のわかりあえなさ、男の純粋さ(というか幼さ)みたいなのが話題になったなあ。島本さんのクールさ、落ち着きというのがなんかわかる。

 長さもちょうどいいし、読後感も不思議。かなりお薦め。

 

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