芥川賞かつKindle Unlimitedだったので何気なく読んでみた。
とても感想がいえない。判断ができない。判断って、自分で良いとか悪いとかを考えること。その前提にあると思っていた常識、あるべき倫理観みたいなものが全部引きちぎられている様な状態なのだ。ひっくり返ったのではない。治りかけの傷口のかさぶたを剥がされたような感じ。
人によっては痛いと思うし、見た感じ気持ち悪いとも思うし、なんとも言えない快感を感じる人もいる…というような。
わたしは障害者の方の本当の視点や苦しみや願いを知ることはできない。あくまで想像しかできない。でもこの本にはそれが赤裸裸に書いてあり、追体験できるのだけど想像とのズレにヒヤッとするのだけど、そのズレだって、障害者とわたしのずれじゃなくて、たんなる他人とわたしのズレかもしれないということを思う。そう。他人の中味を知ることって、こういうことなのかもしれない。
わたしがこうだろうと予想していることなんて全然違っている、わたしだけが思っているだけの見方しかしていないんだろう。
他人に薦めるかといわれたら、薦めはしないけど、既視感で安心感を確かめながら読み進めていく読書に飽きたなら一度読んでみたら?とはいえそう。