きこえてきたこと

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ガニメアンに会いたい!!!

ジェイムズ・P・ホーガンの三部作を読んだ!

 月で発見された,「人類によく似た死骸」を発見した…。地球外生命体の発見というロマン溢れるけどありきたりな設定と思いきや、すごい!!緻密!!!

  名作。三体も読んだけど、これは名作だ。人間とガニメアンとの交流。ガニメアンは、争うという概念を持たない。疑いや騙すということもない。人間のことが理解できない。ガニメアンという聖者のような存在があることを通して人間のことが見えてくる。すごい。ただの精緻なSFじゃない。 

 最期のダンチェッカーの推理がすごくかっこいい!

  ガニメアンが「巨人たちの星」を目指して地球から旅立って行ったあとのお話。ここでも人間とよく似た存在、ジェヴレン人が出てくる。250万年後のガニメアンの子孫であるテューリアンと地球から旅立ったシャピアロン号のガニメアン。ちょっと人間の駆け引きのところの描写はSFだからしょうがないのかもしれないけどちょっと単純な善悪二元論に陥っていて物足りない。

 自分の理論にこだわるダンチェッカー。それは自分できっちりと論理を組み立てて考えているからの自信に裏打ちされている。でもきちんと話しをすればそれを受け入れる度量もある。友達が少なそうだけど、かっこいい。

 

 現実逃避によんだSFにここまではまるとは。

 「宇宙人がいたらわたしたちはどうなるか」っていうのは昔からあるテーマだよね。小さい頃にもそんな本をたくさん読んだ。そのわくわくが大人の今でも楽しめる本。ただ「どうなるか」だけじゃなくて、いまの「人間」という存在を客観的な目で見るきっかけを与えてくれる。わたしたちって、このままでいいのかなと。ちょっと時代が違うけど現代にも充分通じる話。

 読みやすい。そして面白い!民衆の情報源がテレビを主体とした映像というのが時代を感じさせるけれど、それでもやっぱり想像力を大宇宙に解き放ってくれるような名作だと思った。