『こころ』夏目漱石
久しぶりに『こころ』を読んだ。
人はいつでも悪人になってしまう。そういう立場におかれたら、なにをしでかすかわからない。そんな恐ろしさを感じさせるを通り越して、自分の身に実感させるものがある。
自分のせいで自死した親友。
確認する術はないけれど、どう考えても自分のせいだ。
それを抱えて愛する人と人生を歩んだ「先生」。どうしても愛する妻のこころに黒点をつけるようなことができない「先生」。でも誰かに伝えずにいられなかった。
わたしだったらどうだろう。
わたしも誰かにいいたい。
わたしもなぜなくなったのかわからないともだちがいます。
わたしのせいかもしれません。自死かもしれない。そうじゃないかもしれない。
もし、自死だったら、わたしがともだちを絶望の方向へ背中を押したことがあるかもしれません。
そのことをたまに思い出します。たまにというのがわたしなんだと思います。