『同志少女よ、敵を撃て』 逢坂冬馬 早川書房
故郷の村をドイツ兵に皆殺しにされ、女性狙撃手となる少女セラフィマ。そこには同様の境遇にある少女たちが集い、憎きファシズムを根絶する戦いに挑む・・・。彼女たちにとって生きるということは・・・。
実はKindleで90%位までは、想定の範囲内のストーリーだった。のだけれどもそこからの怒濤の展開!!!この時代にここまで「女性」に踏み込んだ女性自身たちはいたのだろうか。そういうことも考えてしまう。
少しもネタバレができない。ラスト10%を読むために積み上げられていく90%もすごいのだ。
女性差別問題というのは、どこか男性の視点もいれて考えがちなんだけど、これはこれがメインテーマというわけではないのだが、人間としての女性の視点、そういうものじゃないな。このセラフィマという人間の視点がいろいろ気がつき、ひっくりかえって、また自分になってみたいなものを同時に体験できる。ネタバレしないギリギリの意味不明解説だな・・・。
戦争物の小説を読みたいだけならもっといいのは他にある。この本にはこの本にしかないよさ。なんともジャンルをつけられないよさがある。