きこえてきたこと

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しごとをお休みする日記 Day22 『イングリッシュ・ペイシェント』を見た

 アカデミー賞作品賞を見ていこうと思っているのだけど、前から見たかったこちらの映画がPrimeで見られたので。

 ストーリーはちょっと突飛かもしれない。いろんな愛の形を見せてくれる。

 ハナという主人公(でいいよね)の透き通っていてまっすぐなこころに希望を感じさせてくれる。涙でさえも。

 この映画って、情熱的な不倫の愛と戦争の影が主テーマであるようだけど、本当は人間同士が相対峙する時の差別、ズレ、居心地の悪さみたいなものを描き出しているのかも知れないと感じた。

 砂漠のホテルのラウンジで女性だから入れなかったキャサリン。常に夫と一緒の方がいいのじゃないかと言われる。逢い引きのために失神のふりをしたら、妊娠かも!と言われる。

 アルマシーが独身であるから「未来の妻に乾杯」とキャサリンが言ってしまう。アルマシーの名前が異国風であるので英国軍にドイツ人捕虜にされてしまうこと。女性の首元のへこみの名前が知りたいアルマシー。

 ハナとキップは心を通わせているけれど、なにかすこしバックグラウンド(文化の違いかな)による考え方の違い、意思疎通が一筋縄ではいかない描写。

 ずっと相棒だったハーディーのプライベートをなにもしらなかったことにショックを受けるキップ。でもハーディーがキップを軽んじていたわけではない。死線をくぐってきた仲間である。

 なんだかいろんなことが少しずつうまくすっきりいっていないのだけど、ハナがそれを最後にふわっと風を起してどこか遠くに飛ばしてくれた感じがする。

 こんなドラマチックなことが起るわけではないけれど、私たちの毎日も、こういう他者との関わりの中で少しずつそういうことを感じて生きている。そういう一瞬一瞬の居心地の悪さを思い出し、ハナを見て、ああ、こういう風になりたいなと感じた。

 良い映画だと思う。

 

 アルマシーは、ヴォルデモートだったのか!なんとも主演作がお顔を隠すタイプなのね。