きこえてきたこと

哲学、読書、文学、宗教、映画、日々のこと。

2023年の終わりに

結局会社は休んでいるまま新しい年を迎える。

復帰のためのリハビリはしているのでそう遠くない未来に会社に行くのは確かだと思う。

行きたくないなあとかそういうのはない。

純粋にはたらきたいなという気持ちがわいている。

それを大事にいまをしっかりみて、自分の機嫌を取っていきたいと思う。

生きるために進んでいく身体はこれしかないのだから。

2024年は

丁寧に今を見る

ことをしていきたいと思う。基準はわたし。

『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』

『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』ケン・リュウ編 早川書房

中国SFの短編詰め合わせ。『三体』、『荒潮』を読んでいたので楽しめた!
全然中国文化には詳しくないのだけど、こういう物語を読むにつけ、その向こうにある文化の厚さを感じる。人がいっぱいいるっていうのかな???

複数作家の短編集なので、趣の違う作品を楽しめる。なにも考えず読んでみるのがいいと思う。

ちなみに好みのSFはこんな感じ

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『街と、その不確かな壁』村上春樹

 

 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 26

 前知識なく読み始めたら、「あれ?『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』じゃない???」となった。もちろんそんな焼き直しではなかった。

 あとがきを読んで経緯を理解した。元々は『世界の終り…』の前に中編小説のような形で世に出ていたらしいが本として出版はされていなかったそうだ。この小説を書き上げることができると40年経って思われたらしい。

 夢読み、壁の中の世界、影…。現実と想念の中にある世界が交錯して一つに集約していく。なんというかずっと村上春樹氏の作品を連続して読んでいて思ったのが、すっきりした解決があるわけではないけれど、なにか最後に向かってすぅぅっと一点に突き進んでいく感じがする。

 これで最新刊まで読み終えた。小説のみだけど。発刊タイトル26、文庫本ベースで39冊。よく読んだなあ。

 一人の作家の作品を発表順に読んでいくということをやってみたけど、本当に村上氏の変化を感じながら、時間を共にしながら読んだ気がする。ことばはやはり対話なんだな。素晴らしい読書経験だった。

 

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『一人称単数』村上春樹

 

 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 25

 短編集の最新。

「石のまくらに」

短歌を交えた短編。昔の作風を思い出す。

「クリーム」

招待された演奏会がなかった…。老人のクリームのつぶやき。

スッキリしないけどなんかいい。

チャーリー・パーカー・ブレイズ・ボサノヴァ

手にしたはずのLPがなかった話。不思議ストーリー。

「ヤクルト・スワローズ詩集」

ヤクルトファンでなくても推しがいる人には伝わる熱さ。

「謝肉祭(Carnaval)」

これよかったな。人の魅力って、目の前にしないとわからないよね。

品川猿の告白」

以前出てきた品川猿のその後。おもしろい。

「一人称単数」

これは自分の中に誰かを傷つけたことを否定できないということかなと。
それは自分もそうだな。

 

ちょっと大人な感じがする短編集だった。

 

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『騎士団長殺し』村上春樹

 

 

 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 24

 この長編も面白かった。メタファー。たまに村上氏のメタファーにおなかがいっぱいになったのだけどこれはよかった。

 村上氏が歳を経るごとに登場人物になにか惹きつけるものがあることがはっきりしている感じがする。いいなあ。

 文章で絵について訴えるのって挑戦だなあ。読み手は想像力を働かせる。風景描写以上にそして「見てみたい」が近寄ってきてよりリアルにストーリーを感じていける気がした。

 眼に見えるはずのないものが見える。それだけでファンタジーなんだけど、読ませる力でその違和感が薄れて本当の事って難だろうという迷いの中に自分が入る感じ。

 小説もあと2冊!

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『女のいない男たち』村上春樹

 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 23

 これはテーマが「女のいない男たち」の短編集なんだよね。

 著者は男というのを改めて感じる。

「ドライブ・マイ・カー」

男性の複雑な心境とドライブというシチュエーションがよかった。

「イエスタデイ」

変わった嗜好の男性。その行く末。

「独立器官」

結構これは女性の本質を突いているのではないか。

シェエラザード

自分の好みじゃなかったなあ。変に生々しすぎて。

「木野」

不思議ワールド。最後いろいろ考えちゃった。

「女のいない男たち」

ちょっと譬喩が読みにくかった。

 

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『色彩をもたない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹

 村上春樹を順番に読んでいこうシリーズ 22

 ある意味完璧な高校生時代を過ごして閉まったが為にその関係性が崩されたことのショックが人を本当の底のところで変えてしまった・・・。

 自分だったら耐えられないだろうなと思う状況。ガールフレンドの言葉によって16年経ってかつての友人たちに会って確かめていく多崎つくる。

 やらなくてもいいことをあえてやっているという瞬間の不確かだけどその瞬間を自分は迎え続けているというような感覚。引き込まれてかなりのペースで読んでしまった!

 自分の体験ではないのに、傷付きながらそして自分を護りながら読み進めていく感じ。面白かった。終りもよかった。

 

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